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お産の豆知識

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会陰裂傷・会陰切開について

当院では自然分娩を基本としているので、ほとんどの方は会陰切開をしていません。しかし必要になる場合もあります。今回は会陰裂傷をなるべく小さくする方法、会陰切開が必要な理由についてです。

会陰とは膣と肛門の間にある、長さ3~5cmの部分をいいます。分娩の際に、直径約10cmある児頭が膣壁や会陰部の組織を圧迫して引き伸ばすため、会陰部の組織(皮膚と皮下組織)も薄く引き伸ばされます。会陰部の組織が、分娩の際に裂けてしまうことを会陰裂傷といいます。

分娩の時に助産師がしていること・・・会陰保護                                          子宮口が全部開くと、赤ちゃんは骨盤の形に沿って徐々に下降してきます。赤ちゃんの頭が見えるようになったら、会陰保護を開始します。股の間にいる助産師が、「いきんで―」とか「力を入れないでー」とか言っている時に、手で会陰保護を行っています。

会陰保護の目的は下記の通りです。

  1. 赤ちゃんの最後の出てくる向きや方向を補助する
  2. 会陰が大きく切れるのを予防する
  3. 赤ちゃんが勢いよく飛び出てくることを予防する
  4. 便による汚染を予防する

会陰保護が不十分だと傷が大きくなり、最悪は肛門の方まで傷が延長してしまって危険になります。会陰は平均で25cm伸展するとされていますが、個人差が大きいです。赤ちゃん頭囲33cmとすれば少し傷が出来てしまうのは仕方ないことだと思います。

 

どうすれば会陰裂傷を少なく出来るのか?

助産師はなるべく会陰裂傷が少なくなるように声掛けをします。組織はゆっくり広がると損傷が少なく、急に広がると大きく裂けます。ですから赤ちゃんの頭が出る際に、できる限りゆっくり通ることが重要です。赤ちゃん頭の1番大きい所が通過したタイミングで、助産師から「胸の前で手を組んで」「もう力を入れないで」「もういきまないで」と声かけされます。それは、会陰裂傷を小さくするためです。ここで妊婦さんがいきみ続けると、会陰が硬い人なら会陰裂傷がとても大きくなってしまいます。
他にも、初産婦か経産婦かどうか、赤ちゃんの大きさ、会陰の硬さ・距離・伸展度等が裂傷の大きさや深さに関与してきます。会陰マッサージはある程度の予防効果があると言われています。

会陰切開が必要な時

会陰切開は必要な時があります。具体的には、①傷が大きくなることが予想される時(会陰が進展しない、巨大児、吸引分娩等)②赤ちゃんがしんどそうで早く産まれたほうが良い時(胎児モニターでしんどいサインがある等)などがあります。これには明確なガイドラインがある訳でもなく、医師・助産師・施設によって考え方や基準が違います。

昔はほぼ全例に会陰切開を行っている時代もありましたが、最近は必要な場合のみになっています。また会陰裂傷も会陰切開も、当院では1週間程度で溶ける糸での縫合を行っており抜糸もいらないようにしています。自然に裂ける傷の方が神経を傷つけにくく、縫合後の痛みと違和感が少なくなりますが、かなり深い大きな会陰裂傷であれば会陰切開の方が楽であったりと一長一短です。

「体重を増えすぎないようにする」・「会陰マッサージをする」・「分娩時に落ち着いて助産師の指示の行動をする」。もちろん会陰が伸びやすい、伸びにくいには個人差も大きいですが、これが会陰裂傷を小さくする方法になります。

私も助産師がいないお産の際には自分で会陰保護することもあり、医師になりたての若い時には会陰裂傷は大きく、経験するにしたがって自分なりのコツを見つけ会陰裂傷は減っていきました。当院の助産師はベテラン揃いのため、皆それぞれの経験・工夫がありますから安心してください。

副院長 橋本

副院長 橋本

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