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お産の豆知識

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妊娠中の食事で気をつけること①(リステリア)

妊娠前からもそうですが、妊娠中も食事は重要です。妊婦健診でも「食事で気をつけることありますか?」は、妊娠初期に非常によく聞かれます。絶対に摂ったらダメというものは限られており、基本的には偏らなければ大丈夫と思ってください。ただし、いくつか注意する食べ物があります。

妊娠中ダメなものの代表は、リステリア菌がいる可能性がある物です。

リステリア菌は、土壌や河川水や動物(ヒトも含む)の腸管内など広範囲に存在します。健康な大人であれば感染しても無症状もしくは軽い胃腸炎程度が多いですが、妊娠中は免疫力が低下しているため感染率は約20倍とされています。消毒剤や加熱(70℃以上)には弱い菌ですが、冷蔵庫内(4℃)でも増殖できます。日本ではリステリアの集団食中毒の報告はありませんが、海外ではあります。加熱に弱いため、基本的には加熱すれば大丈夫です。

リステリア菌がいる可能性のある食物の代表は非加熱ナチュラルチーズ・スモークサーモン・生ハムです。これは特に海外の物は避けたほうがいいです。実際にリステリア食中毒が起こっています。

他にも海外では、未殺菌の牛乳、野菜類サラダ、冷凍野菜、ソーセージ、ミートパテ、コーンビーフ、サラミ等でリステリア食中毒が起こっています。これは不衛生な調理環境が影響していると考えられ、日本ではそこまで神経質にならなくてもいいと思います。

ナチュラルチーズ・スモークサーモン・生ハム以外であれば

  • 生野菜や果物などは食べる前によく洗う
  • 賞味期限内に食べきる
  • 冷蔵庫に入れても開封後になるべく早く食べる・・冷蔵庫の中に入れていてもリステリアは死滅しない
  • なるべく加熱してから食べる
  • まな板や包丁を、生肉の料理をした後はしっかり消毒もしくは分ける

という一般的な食中毒対策をすれば大丈夫だと思います。海外ではお刺身も妊婦さんは控えるように指導する国もありますが、日本の衛生環境であれば、しっかりと衛生環境が整っていれば問題ないと思います。

ちなみに日本のナチュラルチーズは原乳の時点で加熱され、さらに出荷前にちゃんとリステリア菌のチェックもされています。さらに生ハムも日本製であればリステリアも食品衛生法でしっかりチェックされているので食べてもまず大丈夫だと思います(ただし、厚生労働省は妊娠中は摂らないほうが良いとしています)。

そう言いながら、私も総合病院勤務の頃、リステリア感染症の妊婦さんの経験があります。近くのクリニックから妊娠30週の妊婦さんが朝から発熱があり、お腹が痛いと夕方救急車で搬送されてきました。しかし病院に到着した時にはすでに赤ちゃんはお腹の中で亡くなっていました。リステリア疑いの食事をしたのは4週間も前でした。治療は抗生剤になるのですが、発症すると手遅れになる可能性があります。とにかく予防が一番です。

副院長 橋本

副院長 橋本

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